Flash Playerのサポートは2020年末で終了、ただしAdobe AIRは継続の方針

すでに大きく報道されている通り、Adobe SystemsFlashプラットフォームに対するロードマップを発表しました。
大雑把にまとめると、Webのインタラクティブコンテンツの世界ではすでにHTML5WebGL、WebAssemblyなどが成熟してきたため、同社ではFlashからこれらの技術への移行を推進した上で、Flash Playerの提供およびサポートを2020年末をもって停止する予定、ということです。

Flash とインタラクティブコンテンツの未来 | Adobe.com

こうした進歩を受け、アドビは技術パートナー AppleFacebookGoogleMicrosoft および Mozilla の協力のもと、Flashのサポートの終了を計画しています。具体的には、2020年末にFlash Playerのアップデートおよび配布を停止する予定であり、コンテンツクリエイターに対しては、既存のFlashコンテンツを上述の新しいオープンフォーマットへ移行するよう推奨していきます。

終了するのはFlash Playerだけ

誤解されがちなので補足しておくと、今回の発表はあくまでもWebブラウザ向けのFlash Playerに関するものです。
Adobeが提供するFlashプラットフォームは大きく以下の2つに分かれています。

  • Flash Player - Webブラウザ向け
  • Adobe AIR - デスクトップ/モバイルのアプリ向け

なお、モバイル版Flash Playerについてはすでに2011年に開発が中止されているため、今残っているのはデスクトップ版だけです。

Adobe AIRの開発は継続

Adobe AIRについては、Adobe Flash RuntimeチームのプロダクトマネージャーであるChris Campbel氏より、公式フォーラムに次のような投稿がありました。

AIR Roadmap Update |Adobe Community

Let me start by saying that today's announcement was not about AIR, and instead focuses entirely on Flash Player and the browser plugin environment. Adobe remains committed to AIR and we believe it continues to be a great desktop and mobile development platform.

要するに、今回の発表はWebブラウザ用プラグインであるFlash Playerに関することで、デスクトップおよびモバイルのAIRとは区別してね、ということです。その上で、AIRの開発は継続されることや、次期リリースに向けたロードマップに言及されています。

いずれにせよ、Webコンテンツ向けプラットフォームとしてのFlashはいよいよ終焉期に入ったということになります。すでに規定路線になりつつあったとはいえ、今回の発表によって期限が明確になったことで、対応を迫られるサービスも少なくないでしょう。

Adobe Animate CCも継続

なお、もともとFlashコンテンツの作成ツールとしてリリースされていた「Adobe Flash Professional CC」は、2016年より「Adobe Animate CC」に名称が変わっています。Animate CCは改称以前からすでにSWFだけでなくHTML5WebGLコンテンツの出力もサポートしおり、Flashに限定しないWebアニメーションのオーサリングツールとしての立ち位置を明確にしていました。

Animate CCに関しては、今回のプレスリリースの中で以下のように明言されています。

さらには、HTML5コンテンツ開発用Webアニメーションツールの最高峰、Animate CCやPremiere Pro CCなどのトップ水準のアニメーション・ビデオツールの提供を継続します。