今回で最後と言われていた東北六魂祭、来年以降はどうなる?

6月26日に幕を閉じた東北六魂祭。もともとは、これは2011年の東日本大震災を契機として、犠牲者の鎮魂と復興を願いを込めてはじまったお祭りです。仙台からはじまって盛岡、福島、山形、秋田、そして青森と、6県の県庁所在地を一巡したことになるため、今年が最後の開催になると言われていました。その一方で、いろいろな問題を抱えながらもそれを乗り越えて6年間続けてきたこの催しを、このまま終わらせるのは勿体無いという声も挙がっていました。

そこで、東北六魂祭としては一旦完結させつつも、来年以降も後継となるイベントを続けていくという話が持ち上がっています。

日経新聞は、復興への願いというコンセプトを残したまま、後継イベントを開く方針だと伝えています。
東北六魂祭が閉幕 復興願い17年から後継イベント :日本経済新聞

六魂祭は震災から約4カ月後の2011年7月に仙台市で初めて開かれ、各県庁所在地が毎年持ち回りで開催し、被災者の心の支えになってきた。今年で6県を一巡したのを機に終了するが、来年からは復興への願いを込めた後継イベントを開く方針。

またこの記事では、閉会式での鹿内青森市長のスピーチも紹介されています。市長は、6年の歩みの中で県を越えて協力するという土台が築けたので、今後もこれを活かしたイベントを続けていくという風に語っていました。

閉会式で鹿内博青森市長が「復興は道半ば。東北は一つという思いは変わらない」と述べ、来年以降も県庁所在地6市が連携して6つの祭りを活用したイベントを企画する方針を示すと、観客から歓声が上がった。

河北新報も同じ発言を取り上げています。ここでは仙台が開催地の有力候補だということにも触れられています。
<六魂祭>復興願う六つの魂引き継ぐ | 河北新報オンラインニュース

後継イベントについて、実行委員長の鹿内博青森市長は閉祭式で「復興は道半ば。内容を実行委員会で検討し、6市の連携を今後も続ける」と述べた。開催が決まれば、開催地は仙台市が有力とみられる。

一方で、東京開催という話もあります。秋田魁新報は次のように報じています。
東北六魂祭、東京で再現 虎ノ門候補、11月開催へ|秋田魁新報電子版

東北6県を代表する六つの祭りが11月に東京で一堂に集まって開催する方向で最終調整していることが27日、分かった。東北の魅力を訴えて観光客を呼び込み、東日本大震災からの復興につなげたい考え。超高層複合ビル「虎ノ門ヒルズ森タワー」周辺の再開発地区で実施することを検討している。

東京開催となると場所の選定が第一の問題になると思うのですが、虎ノ門マッカーサー道路なら再整備されたばかりで広さの割に交通量はまだそれほどでもないので、現実的な選択かもしれないと思いました。

産経ニュースではさらに飛躍して、東京オリンピックの文化プログラムにまで言及しています。
【日曜に書く】東京五輪に「東北六魂祭」はいかが 鎮魂と復興への思いを発信 佐野慎輔(1/2ページ) - 産経ニュース

山形県出身の遠藤利明五輪相は六魂祭にことさら思い入れを持つ。ならば、2020年東京オリンピックパラリンピックの文化プログラムとして扱ってはいかがか…。
 「そうか、東京に集まってもらって(組織委員会のある)虎ノ門から(新国立競技場が建設される)神宮外苑までを会場に東北の復興を発信してもらうのもいいかもしれない」

これらの報道は、現地で耳にした噂や関係者の話とほぼ一致しています。形式や開催地についてはともかくとして、何らかの形で続けていきたいという想いは強いようです。少なくとも、6県を代表する規模のお祭りが一堂に会する機会というのはなかなかありません。これは観る側にとっても、参加する側にとっても、非常に価値のあるものです。ぜひ長期的な視点で続くものにしてもらえればと思います。

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