【書評】重要無形民俗文化財 弘前ねぷた ― 歴史とその制作
この記事は「青森ねぶた祭り Advent Calendar 2015」の12月20日分として書きました。
弘前観光協会が制作した『重要無形民俗文化財 弘前ねぷた ― 歴史とその制作』。割と最近手に入れたんですが、発行年を見たら1983年でした。
第1編がねぷたの歴史、第2編が扇ねぷたの製作法、第3編が組みねぷた(人形ねぷた)の製作法という3編構成になっています。
全体のうちの半分以上が第1編に割かれていて、江戸時代から現代にいたるまでのねぷたの歴史が非常に詳しく解説されています。実に140ページにわたる非常に読み応えのある解説です。弘前ねぷたの本ですが、藩政期の記録にいたっては青森ねぶたに共通する部分も多いので、どちらを学ぶ上でも参考になります。
後半はねぷたの製作法ですが、これも1冊にまとまったものとしては貴重なものだと思います。特に組みねぷたの製作法は青森ねぶたにも共通します。津軽学公開講座でも、「人形ねぷたの作り方を解説した本がなかなかない」という指摘があったようです。
ねぷたの作り方を解説した本を、これとは別にもう一冊持っています。私自身は作る方にはまだそれほど食指が動かないので宝の持ち腐れではあるのですが。もし見たいという方はご相談ください。