【書評】ねぶた 和田光弘 写真集
この記事は「青森ねぶた祭り Advent Calendar 2015」の12月17日分として書きました。
書評というか、ねぶた関連の本の紹介です。今回紹介するのは、写真家和田光弘氏による、ねぶたの写真集です。
運行中のねぶたや跳人を扱った写真集というのは他に例がないと思います。大判のねぶたの写真の迫力もさることながら、和田氏の写真集は、祭自体が持つエネルギーを非常によく伝えているように感じられます。見ていて思わず体が熱くなります。
この写真集は、最近の写真だけでなく、昭和の時代の古い写真も掲載されている点も見逃せません。ねぶたの技術は今でも年々進歩していて毎年圧倒されますが、昭和のねぶたには今とはまた違った雰囲気で、胸にズシンと響く魅力があります。
ところで、和田氏は1983年にもねぶたの写真集を出しています。それがこれ。
30年以上前の、いわゆる"昭和のねぶた"が記録された貴重な写真集です。
新しい方の写真集の表紙は、古い方の写真集にも収録されています。つまり30年以上前の光景です。ハネトが道路を埋め尽くしていますが、跳人が減少し続けている現在では、こういう光景はもう見られません。
古い方の写真集からお気に入りの写真を一枚だけ紹介します。
素晴らしい跳躍。こういう魅せる跳人も今はもう絶滅危惧種です。一跳人としてなんとか頑張っていきたいものです。