第19回羽衣ねぶた祭りに出陣した人形ねぶた達

事前に告知しましたが、8月19日〜21日に東京の立川市で第19回羽衣ねぶた祭りが開催されました。相変わらず運行中の写真は撮っていないのですが、せっかくなので今年出陣した6台の人形ねぶたを紹介します。*1 あまりじっくりと撮影する時間がなかったので、構図が悪いのはご容赦ください。

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黒石特有の墨使いが光っています。すばらしい迫力。力の入った指先もいいです。

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綺麗な青が目を引きます。あと、山口正人の極道漫画みたいな不気味な表情がなんとも言えません。

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武者が前後に並んでいる珍しい構図です。顔が大きく手足が太いので、重量感があります。

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このねぶたも面が大きく動きがダイナミックで迫力がありますね。

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この武者がひっくり返ったダイナミックな構図は、これぞ黒石という感じです。個人的にこの構図は大好きです。白い武者というのは青森市ではあまり見ないですね。

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これも白いねぶたです。赤と白、という対比は珍しい気がします。

最近は、顔のパーツ(眉毛や牙、ヒゲなど)が立体的に作られているものが多いのですが、これも青森のねぶたにはない特徴です。
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ちなみに今年のポスターはこれでした。毎年、誰かしらは知り合いが写り込んでます。私も過去(第9回だったかな)に写っていたことがあります。
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*1:羽衣ねぶた祭りなので"ねぶた"と書いていますが、黒石のものなので正しくは"ねぷた"です。

第18回羽衣ねぶた祭は8月19日〜21日の3日開催 東京都立川市の羽衣町にて

東京都立川市羽衣町で毎年開催されている「羽衣ねぶた祭」は、今年は8月19日(金)から21日(日)までの開催となっています。

羽衣ねぶた祭 主催:東立川商店街振興組合

8月19日(金) 午後6:00〜9:00
8月20日(土) 午後5:00〜9:30
8月21日(日) 午後6:00〜9:00

開始時間は17時または18時となっていますが、開会式や、黒石よされ、和太鼓の演舞なども行われるため、ねぶたの運行は3日間とも19時頃からとのことです。

羽衣ねぶた祭青森県黒石市と提携して開催されているため、出陣するのは黒石ねぷた祭で使用されている人形ねぶたです(正確に言えば"人形ねぷた"ですね)。青森と黒石のねぶたの違いについては、以前のエントリーで解説しています。
nebuta.hatenablog.jp

関東のねぶた運行で開催期間が3日間にまたがるものは他にはありません。そのことだけでも商店街の方々がどれだけこのねぶた祭に力を入れているのかがわかります。地元にも小・中学生を中心としたお囃子会があり、羽衣ねぶた祭でその練習の成果が披露されます。

私が関東圏で開催されるねぶた祭と出会ったのがこの羽衣ねぶた祭で、実に11年前の出来事になります。青森にはそれより3年前から足を運んでいましたが、関東ねぶたとの出会いが無ければおそらく"囃子跳ね"に目覚めることもなく、ここまで深く跳人にハマり込むこともなかったと思います。そういう意味では個人的に特別な思い入れのあるお祭りでもあります。私は土曜日に参加する予定です。

8月20日(土)、茨城県笠間市の「笠間のまつり」に青森ねぶたが出陣

茨城県笠間市で8月20日(土)に開催される「笠間のまつり 光のオブジェ&神輿パレード」に、青森ねぶたが出陣するそうです。

笠間のまつり | 笠間市公式ホームページ
いばらきの夏祭り | 観光いばらき(茨城県の観光情報ポータルサイト)

期間:
8月16日(火) 18:00~20:30 灯籠流し
8月20日(土) 18:00~21:30 光のオブジェ(ねぶた)&神輿パレード
会場:
16日 笠間ショッピングセンター ポレポレわき
20日 市営荒町駐車場周辺

笠間のまつりそのものは16日の灯篭流しと20日の光のオブジェ&神輿パレードの2部構成になっていますが、ねぶたが出るのは20日の方です。笠間のまつりへの青森ねぶたの参加はすでに恒例となっており、例年は青森の本祭で使われた大型ねぶたと、日立連合の専属囃子会「凱立会」によるお囃子が出演しています。公式サイトが見つからないので今年の運行の詳細はよく分からないのですが、おそらく例年と同様の感じになるかと思います(未確認)。
とか言いつつ、いつも他のイベントと被るので私は笠間には参加したこと無いのですよね。凱立会のお囃子というだけでも一見の価値はあるかと思います。

8月20日、「臼井ふるさとにぎわい祭」に青森ねぶた囃子が出陣

千葉県佐倉市で8月20日(土)に行われる「臼井ふるさとにぎわい祭」に、青森ねぶた囃子が出陣するそうです。

臼井ふるさとにぎわい祭は、佐倉市京成臼井駅周辺で毎年行なわれているイベントです。
佐倉市のイベント案内一覧 | 千葉県佐倉市公式ウェブサイト

ねぶた囃子は柏市に拠点を置く「柏佞武多会」によるもので、同祭には去年初めて出陣し、今年も引き続き出陣することが決まったとのことです。一般の跳人も募集するとのことです。おそらく、ねぶた本体も出ると思います。
https://www.facebook.com/kashiwa.nebuta.hayashi/posts/536623863212061

昨年に引き続き、佐倉市京成臼井駅周辺で行われます「臼井ふるさとにぎわい祭」へ
本年も出陣の依頼があり、柏ねぶた運行委員会満場一致で出陣が決まりました。
詳細はまだ未定ですが、開催日時のみご連絡がありましたので、柏佞武多会の皆さんは
奮ってご参加ください。
日時:8月20日(土) 12:00~21:55
※ 一般跳人の方も募集されていますので、ぜひご参加してみてください。

去年はたしかまつりつくばのねぶた運行と日程が被っていたかと思うのですが、今年は羽衣ねぶた(19日〜21日)や笠間のまつり(20日)と被ってしまっています。
この時期は日程被りが多いので勿体無いですね。それだけ各地でねぶたが行なわれているということなので、うれしい悲鳴ではあるんですが。

青森ねぶた祭 2016年出陣ねぶたの感想 その2(北村隆さん、北村麻子さん)

今年の青森ねぶた祭に出陣した大型ねぶた22台の個人的な感想を書いていきます。下絵と題材の解説はリンク先でご覧下さい。

第二弾は優秀制作者賞を受賞した北村隆名人と、その娘で同じく優秀制作者賞の北村麻子さん。

ヤマト運輸ねぶた実行委員会「俵籐太と竜神」制作者:北村隆

ヤマト運輸ねぶた実行委員会 - 青森ねぶた祭

知事賞を獲ったヤマト運輸のねぶたです。モデルは平将門を討ったとされる藤原秀郷ですが、龍神一族を助けたという伝説から、竜宮を邂逅の場面として描いています。下絵の華やかさに対して、実物ではねぶた特有の重厚さが感じられる点が面白いです。亀や魚など、竜宮を表現する数多くの要素がすべて収まっているあたりが見事ですね。龍神の娘が後ろからちらっと覗いているあたりが、隆さんらしい表現だなと思いました。

に組・東芝「纏の唐獅子牡丹」 制作者:北村隆

に組・東芝 - 青森ねぶた祭

これは個人的に好きなねぶたのひとつです。纏を担いだ火消しと、百獣の王である唐獅子という、単純ながら力強い構成が魅力的です。黒い刺青と青い獅子の間に、赤い纏が翻っているという色使いも巧みですね。これも下絵と実物との印象が全く異なるねぶたです。
纏のねぶたは過去にも登場していますが、馬簾が翻っている様子がダイナミックなので気に入っています。ちょっと前に、に組・東芝と板金組合でそれぞれ纏が登場した年があって強く記憶に残っていたのですが、調べてみたら2009年なのでもう7年も経っていました。

青森山田学園「樊城の戦い」 制作者:北村隆

青森山田学園 - 青森ねぶた祭

樊城の戦いはねぶたでは定番のテーマですね。写真の角度が悪いので分かり辛いですが、周倉龐徳を持ち上げてひっくり返している荒々しいシーンです。右上のある2つの丸いのが足の裏です。なんというダイナミックな表現かと驚きます。

青森市民ねぶた実行委員会「陰陽師、妖怪退治」 制作者:北村麻子

あおもり市民ねぶた実行委員会 - 青森ねぶた祭

麻子さんのねぶたは独特ですね。これも写真の角度が悪くて見え辛いのですが、鬼の顔は間近で見るかなり大きくて迫力があるんです。それなのに、小鬼の表情の効果もあって、全体としては非常に愛嬌のあるねぶたとしてまとまっています。色使いも巧みですね。どこか印象に残るねぶたです。
送りがまた可愛らしいんですよ。
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青森ねぶた祭 2016年出陣ねぶたの感想 その1(竹浪比呂央さん、手塚茂樹さん)

今年の青森ねぶた祭に出陣した大型ねぶた22台の個人的な感想を書いていきたいと思います。下絵と題材の解説はリンク先でご覧下さい。

第一弾は最優秀制作者賞を受賞した竹浪比呂央さんと、その弟子の手塚茂樹さん。

JRねぶた実行プロジェクト「蝦夷ヶ島 夷酋と九郎義経」 制作者:竹浪比呂央

JRねぶた実行プロジェクト - 青森ねぶた祭

ねぶた大賞をとったJRのねぶたです。この鹿がとにかく印象的でした。下絵を見たときの構図にも驚きましたが、それが立体のねぶたになったときに、この鹿がこんなに生々しくなるものだとは思いませんでした。

JRということで、蝦夷をテーマに選んだのは北海道新幹線の開通にちなんでのことだそうです。源義経はねぶたの題材としてよく登場しますが、その義経が生き延びて蝦夷に渡ったという伝説で海峡横断を表現するというのは、素晴らしく巧みな題材選びですね。もうその時点で脱帽です。

青森菱友会「箭根森八幡」 制作者:竹浪比呂央

青森菱友会 - 青森ねぶた祭

市長賞の青森菱友会です。鬼の迫力が見事です。やはり竹浪さんは、こういう化物や獣を作らせたら天下一品ですね。矢を射る頼義の躍動感もいいです。

マルハニチロ侫武多会「海神と山幸彦」 制作者:手塚茂樹

マルハニチロ侫武多会 - 青森ねぶた祭

個人的にかなり好きなねぶたです。大量の鯛が舞い踊る斬新な構図。ねぶたが左から右に回ると、まず龍(海神)が見えて、それから鯛が次々と泳いでくるように見えるいうわけです。ぐるぐる回して延々泳いでくる鯛を眺めていたくなりますね。鯛だけでも部屋に飾っておきたいという声も多く聞かれたようです。

鯛に目がいきがちですが、山幸彦の身軽な感じも見事なものです。あと、龍の造形がだいぶ師匠に近づいてきましたね。

写真の整理ができたら、送りの写真も追加するかも。

竹浪比呂央ねぶた原画展 青森市さくら野百貨店にて今日まで!

今さらな話なのですが、青森市さくら野百貨店トにて、ねぶた師竹浪比呂央さんのねぶた原画展が8月8日まで開催中です。

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竹浪さんと、弟子の手塚茂樹さんが制作した歴代大型ねぶたの原画が展示されています。もちろん、今年の新作もあります。

竹浪さんは今年のねぶた祭で最優秀制作者賞を受賞し、制作を担当したJRねぶた愛好会はねぶた大賞に、青森菱友会は市長賞に輝きました。

JRのねぶたの原画を改めてじっくり見てみると、この原画の構図そのものもダイナミックで素敵なのですが、この鹿が立体のねぶたになったときにあんなにも質感を持った迫力のあるものになるのだと驚かされます。

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また、以前のエントリーでも触れましたが、手塚さんの制作したマルハニチロのねぶたも、賞にこそ入らなかったものの、斬新な構成で非常に印象に残るものでした。特に女性や子供こらの評判がよかったようです。

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